⑨高塚古墳



 古墳は宝塚市の史跡に指定されています。墳丘の直径は17m・高さ3m足らずの円墳です。

昭和12年の道路工事の時、高塚の南半分以上が崩され古墳石室が発見されました。側壁は武庫川の丸い石で築き、天井には板石が乗せてあり、床には粘土がしかれ表面には朱が塗られていました。石室からは内行花文鏡(ないこうかもんきょう)、管玉(くだたま)3個、小玉(こだま)2個、鋤先(すきさき)、直刀(ちょくとう)、矛先(ほこさき)らしきものと共に文部省より重要美術品の指定を受けた「平縁式四神四獣鏡(ししんしじゅうきょう)」が発見されました。これらの副葬品は県立歴史博物館に保管されています。

 

(備考)

8月23日に大蓮寺、鳥島吉水講が供養されています。

 

(出典)

郷土を知る(川端道春 著)より


 ・左の鏡は文部省より「重要美術品」の指定を受けている「平線式四神西獣鏡」で奈事の必需品でありました。白銅製で直径17.5cm.鏡縁に「赤鳥七年⋯」の銘が刻まれています。

赤鳥七年は中国「呉国」の年号で三国時代の西暦244年です。わが国では弥生時代から古墳時代にかけての鏡は4000枚以上出していますが、年号の書かれた鏡は12枚だけで、呉の年号の記された鏡は2枚でその1枚がこれです。もう1枚は山形県三珠町から出土しています。

(山形県の出士の鏡は「赤鳥元年」:狐塚古墳から出土)

 

・右の鏡は県指定文化財の内行花文鏡(ないこうかもんきょう)です。青銅製で直径10.9cm中国の鏡を模倣して国内で作られた鏡です。紐(ちゅう)は円形で花文の数は6個です。花文間には3種類の幾何学模様があしらわれています。櫛歯文帯がめぐらされ、縁は幅巾で平になっています。鏡背全面には石室の床面に塗られた赤色の顔料が付着しています。

 

(備考)

安倉中学校の校章は「安倉中学校で学ぶ生徒の未来に光あれ」の願いが込められ、この内行花文鏡の紋様から取られています。


Google マップは現在の Cookie 設定では表示されません。「コンテンツを見る」を選択し、Google マップの Cookie 設定に同意すると閲覧できます。詳細は Google マップの[プライバシーポリシー]をご確認ください。Cookie の利用は、[Cookie 設定]からいつでも変更できます。