2010年3月の広報誌より、10回にわたり掲載させて頂きましただんじり談義もついに最終回を迎えました。皆様最後までお読み頂きありがとうございました。
さて、最終回となる今回は、我々安倉在住の方々の氏神様である「住吉神社」で年間に執り行われている祭礼についてお話ししたいと思います。
安倉の住吉神社では年間4回の祭礼が執り行われています。
3月18日の祈年祭、これは12月の新嘗祭と対になっていると言われる祭りで、その年の五穀豊穣と家々の繁栄を祈願しています。7月21日は夏祭、これは夏の暑い時期の労働を労い、病気災害を免れようとする夏越祓いをするお祭りで、昭和30年頃までは神社に綿菓子やお面など出店が出ていた事もあったと聞きます。10月12日の例祭、これは皆様ご存じの定例祭、地車の曳行を行っている秋祭り(現在は、12日よりも前の土日を曳行日にあてています)で、穀物の豊作を祝うとともに、除災招福、家内安全、寿命長久、産業繁栄などを祈願し、神様の御加護を地車の御幣(其の六で紹介)に宿らせ、村内を回る曳行と宮入奉納などが行われています。
また、10月12日は安倉住吉神社が創建された日でもあります。そして最後は12月7日の新嘗祭、これは祈年祭と対になつていると祭りで、その年の収権に感謝し、来るべく新しい年の豊穣を祈願する祭りとなっています。
四回の祭りの内、現在一般に我々が携われる祭りは、例祭のみですが、他の祭りは住吉神社宮総代をはじめ、安倉各各種団体の役員の方々により、住吉神社本堂で現在も大切に行われています。
夏祭りに関しては、住吉神社に幟が掲げられているので、ご存じの方もおられるかと思います。
他にも、住吉神社では大晦日から元旦の朝にかけて、境内では福火が焚かれ、宮総代による御神酒や、安倉南地車保存会による甘酒が、初請参拝者の方々に振る舞われています。初詣にお出かけされる際は、まず氏神様(住吉神社)へのお参りからですね。
そしてその後、小正月の1月15日には「どんど焼き」が行われています。松飾りやしめ縄、書き始めなどを家から持ち寄り、燃やす行事で、その灰を持って帰って家の周りにまくと、一年間健康で安全に過ごせると言い伝わる民間行事も行われています。
これを機会にどうぞご自身が住まれた土地の氏神様を大切にされ、例祭や行事、また家内の様々な行事にもぜひご参拝いただきたく思います。
【あとがき】
この「安倉だんじり談義」其の一から十は、平成22年2月から平成25年2月迄、コミュニティ安倉の広報誌(年4回発行)に掲載されたものです。参考にした文献(左記記載)や自ら知り得た事を参考に、安倉在中の方々に地元の神社の事、祭りの事、地車の事などをもっと皆様に広く知って頂きたいという思いで、私なりに書いて参りました。もう10年近く前のものを読み返してみると、足らない部分や、もっと詳細に知って貰いたい所や誤字もあったりと思う所は、多々ありますが、敢えて掲載時の原文のままにしています事を何卒ご容赦願うと致しまして、平成31年4月、平成最後のあとがきとさせて頂きます。
上安倉地車保存会
江口秀之
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●USHIMADO(だんじり展示室) 牛窓町
●だんじりが百倍楽しめる本 本村清弘
●彫・地車彫刻の美(住吉大佐) 兵庫地車研究会
●住吉大佐(地車請取帳)と彫刻 兵庫地車研究会
●彫・だんじり彫刻の美(上地車画題考)兵庫地車研究会
●大阪のだんじり(大阪地車研究会監修)社団法人大阪観光協会
●摂河泉だんじり談義(地車工匠編) 若松 均
●ザ・だんじり85(泉州路) 〆野久寿喜
●だんじり(上安倉地車百年配念誌) 安倉自治会
●川面地車史(川面の町に生まれて) 川面地車保存会